アマチュア精神
アマチュア精神

アマチュア精神

アマチュア精神、、、といっても、オリンピックの話題ではありません。私のような「コンピュータ愛好家」の話しです。

コンピュータが趣味となったのは20代前半だったと思います。小さい頃からコンピュータゲームが好きで、大人になるにつれパーソナルコンピュータに興味を持つようになりました。

アルバイトをして初めて買ったデスクトップPCは、新しい世界との大きな出会いでした。それ以来、知的好奇心の赴くままにPCと向き合いました。詳しくなればなるほど、周りの人たちにPC関連の用事を頼まることが増えて、当時は自分の勉強も兼ねて引き受けたこともよくありました。たまに謝礼(工賃、技術料)を頂くこともあり、PCの設定作業やWEBサイト制作、PC組立・修理などは業者のようなこともしていました。

でも、過去に私が人から無償で引き受けたPC関連の頼み事のほとんどは、どこかの業者がビジネスとして行っている作業です。PCの組立や修理、PCの各種設定作業、WEBサイト制作もそうです。趣味でPCに詳しいだけの私が無償で仕事をしてしまっていたわけです。部品代など実費は依頼者に払ってもらいましたが。(^_^;)

それは決していいことではありません。技術には、その人の努力と費やした時間とセンスで磨き上げた、素晴らしい「価値」があります。職業としてやっていらっしゃる方も、趣味でコンピュータに詳しい方も、専門的な価値ある技術を持っておられます。アマチュアが安易に他者に対して無償で技術を提供することは、職業として行っている方の技術の価値を下げてしまう危険性があり、IT社会の発展を妨げる恐れもあります。

「わからないから代わりにPCの設定作業をやってほしい」という頼み事は、依頼者にとっても依頼を受ける側にとってもよくありません。詳しい人だけがPCを操作していたら、PCは難しいから、、、と敬遠している人たちがずっとPCを理解できないままだからです。他の人の代わりに詳しい人だけがPCを扱っていては、社会全体のITリテラシー向上に悪影響しかありません。

40歳を過ぎてから私事でそんなことに直面して、私が趣味で楽しくPCと向き合っていたことは何だったのだろうかと思い悩み、しばらくの間PCから離れることもありました。(職業にしていない、アマチュアだからという理由で、私は他人に対価も無しで利用されるだけの存在ですか?純粋にコンピュータが好きな人間に対してあまりにも酷い扱いではないですか?)

しかし、アマチュアはアマチュアとして、IT社会に対して大きな使命があります。

それは、日本全体のITリテラシー向上に寄与することです。

私なりに具体的に言えば、アドバイスはするけれど自己責任で自分でやってください、ということです。頼みに来る人はPCを触りたくない人や苦手意識のある人が多いです。自分でやるから教えてほしいという人は稀です。そんな周りの人に「アドバイスだけはする」と言ったら冷たい人だと思われるでしょう。

でも、コンピュータ愛好家としては、PCにまつわる技術を必要とするならば、この素晴らしいコンピュータ・インターネットの世界をご自身の手で知っていただきたいのです。本人に操作してもらうことで、本人のIT活用能力を伸ばすことが期待できます。それはより良いIT社会を築き上げるには有益です。

技術がある方ならアマチュアであっても、アマチュアとしての誇りを持ち、社会のITリテラシーの向上とIT社会の発展のために自分なりの信念と責任を持って、IT社会に貢献出来るよう心構えを持つことをお勧めします。

日本では、自分でスマートフォンにLINEアプリをインストール出来なくても携帯ショップで無料で入れてもらえます。スマートフォンの契約者はお客さんだから店員も契約継続のためのサービスとしてインストールします。また、パソコンショップではメール設定やwifiの設定を有料で行なっています。専門技術のひとつとして技術料金を設定しているのです。当然のことだと思います。

しかし、アマチュア(コンピュータ愛好家、PCマニア)はどうでしょうか?

無償で仕事(頼み事)を引き受けると、プロの技術の価値を下げることになります。「得意な人にタダでやって貰えばいい」と思われたら、技術を提供するプロのビジネスが成り立ちません。

有償で引き受けることにすると、「プロでもない(職業にしていない)のに金をとるのか」と煙たがられます。でも、本来はこれが正しい対応だと私は考えています。ちゃんと技術の価値をわかっていらっしゃる方は、私が要求しなくても何かしらの形で「お礼」または「謝礼」をくださることが多いですが。

いろんな引き受け方があると思いますが、たぶんアマチュアとしてベストな対応は、「本人がしたいことについて適切なアドバイスを提供して、本人に解決していただく」ことだと思います。ケースバイケースではあるものの、アマチュアなので自分から技術料は求めないけど「本人の努力」は求めるよ、ということです。

今回は技術の価値、社会のITリテラシー、PCに詳しい人にありがちな悩みについてお話ししました。

コンピュータ・インターネットの世界をもっと自由でもっと豊かで素晴らしいものにするにはどうしたらいいでしょう?プロ・アマ関係無くみんなで考えてみたいですね☆

(^_−)−☆(←無理矢理まとめたわねっ)